脱毛といえば「エステサロン」のイメージを持っている方が多いと思いますが、初めての方がエステサロンでヒゲ脱毛すると必ず後悔します。エステサロンの「光脱毛」は、永久脱毛ではないからです。
全身脱毛専門店「シースリー」の調査によると、エステで光脱毛を受けた女性の6割が脱毛コース終了後「効果がなくなった(毛が生えてきた)」と回答しています。
引用元: 全身脱毛 C3(シースリー)
男性のヒゲは脱毛が最も難しいパーツと言われており、エステの光脱毛ではほぼ100%復活すると考えて間違いないでしょう。
ヒゲの永久脱毛ができるのは、レーザー脱毛とニードル脱毛だけです。
このページでは
- エステの「光脱毛」とは、どういうものなのか
- エステの光脱毛と医療レーザー脱毛の違い
について詳しく解説します。
※ニードル脱毛については別記事「髭のニードル脱毛(美容電気脱毛)について」で解説しています。
エステ(光脱毛)とクリニック(レーザー脱毛)の比較表
エステ (光脱毛) |
クリニック (レーザー脱毛) |
---|---|
効果 | |
一時的な減毛 |
永久脱毛 |
痛み | |
痛くない |
強い痛み |
アフターケア | |
冷却・化粧水のみ | 塗り薬などを処方 |
施術スタッフ | |
無資格でもOK | 医師または看護師 |
1回あたりの料金(ヒゲ全体) | |
5000円前後 |
1~2万円前後 |
脱毛力は医療用レーザーが圧倒的
エステ(光脱毛)とクリニック(レーザー脱毛)の1番大きな違いは、その脱毛力です。
レーザー脱毛で使用される「医療用レーザーマシン」は非常に高い出力で照射することができるため、使用を誤るとヤケドなどの危険があります。
そのため「医師」または「指導下にある看護師」しか、施術に使用することはできません。
無資格者がレーザーマシンを使用して施術を行うと、医師法第17条に違反します。
第十七条 医師でなければ、医業をなしてはならない。
引用元: 医師法
エステの光脱毛は法律上「一時的な除毛・減毛」でなくてはならない
一方、エステの「光脱毛(美容ライト脱毛)」は、無資格者でも安全に扱える低出力に設計されています。
ヤケドなどの消費者トラブル増加にともない平成13に厚生労働省から出された、「レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為は医療行為」とする内容の通知により、エステで永久脱毛(=光線で毛乳頭を破壊)すると、医師法違反になってしまうからです。
参考(PDF):医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて
「脱毛」サロンなのに「効果が高すぎると永久脱毛になってしまうから、効果を下げる」という矛盾を抱えているのが今の日本のエステサロン。
「ドクタータカハシ事件」を始め、効果が高い(=永久脱毛になってしまった)脱毛エステの逮捕事例は多数あります。
最近の美容ライト脱毛 事件例
• 2009年 9月 徳島県 医師法違反容疑捜索
• 2009年 12月 兵庫県 医師法違反容疑で家宅捜索
• 2010年 3月 福岡県 医師法違反容疑で書類送検
• 2010年 5月 大阪府 医師法違反容疑で逮捕引用元: 日本エステティック振興協議会が推進する 美容ライト脱毛のあり方
レーザー脱毛の欠点は「強い痛み」と「肌ダメージ」
レーザー脱毛はパワーが強い分、強い痛みと肌ダメージが問題視されてきました。
よく「ゴムパッチン程度」という表現を目にしますが、それは元々毛が薄い女性の感想です。
男性のヒゲは太く密集していて毛根が深い位置にあるため、痛みは非常に強くなります。
例えるなら、照射のたびに強い静電気が「バチッ」っとくるような痛みです。個人差はありますが、汗や涙が出たり、痛すぎて通うのを止めてしまう方もいます。
痛みが少ない蓄熱式レーザーマシンも登場
しかし最近では、痛みが少ない「蓄熱式(SHR方式)」のレーザーマシンが注目されています。
「ソプラノ」や「メディオスター」が有名です。
従来の単発式(HR方式)レーザーは、毛根の最も深いところにある「毛乳頭」や「毛母細胞」を破壊するために高い出力が必要で、強い痛みと肌ダメージが課題となっていました。
一方、メディオスターを代表とした蓄熱式(SHR方式)レーザーは、毛根の浅いところにある「バルジ領域」をターゲットとしており、低出力で脱毛効果を得られるのが特徴。痛みは従来の1/2~1/4以下に抑えられています。
バルジ領域とは2000年代に発見された幹細胞の一種で、毛の生成に重要な働きをしていることが研究で分かっています。
もっと詳しく知りたい方は「メディオスターの効果と痛みについて:従来のレーザーと比較」をあわせてお読みください。
まとめ:ヒゲ脱毛で失敗したくないならクリニック
エステの光脱毛は、100歩譲ってスネ毛や胸毛はともかく、男性のヒゲには不向きと断言できます。
ヒゲは毛根がとても深い位置にあり、最も脱毛が難しいパーツだからです。特に鼻下のヒゲは密集しているため、完全に無くすには強力なレーザーでも10回以上かかります。
低出力の光脱毛では、いつまで経っても終わりません。永遠に通い続けるなら別ですが‥
「痛くない」「1回あたりが安い」がクリニックを選ぶポイント
とはいっても、レーザー脱毛はやはり「痛み」と「料金」がネックですよね。
痛みを抑えたい方は「痛みが少ないメディオスター」が使えるクリニック、トータル費用を少しでも抑えたい方は「1回あたりの料金が安い」クリニックを選ぶのが良いでしょう。